ヱヴァンゲリオン「序」2回目鑑賞後の感想(その弐)

 後半はそれ以外の雑感。これがまた長い。それでも情報的には漏れまくってるんだけど。DVDでも手元にないと一切合財は見切れないさね。個々のシーンをTV版と対比した上で、新規パートはコマ送りしながら検証、くらいのことはしないと。それにしても疑問符で終わるネタが多すぎる。これこそがエヴァというべきか。まとまりがないのは勘弁してください。これを一本の道筋でまとめようとするとどれだけ掛かるか解らんので。

  • NERVのロゴ、IDカードやNERVパンフは旧ロゴ。建物類は概ね新ロゴ。一部旧没ロゴも混じっている模様。
  • 「シンジ…シンジ…綾波…シンジ…レイ…レイ…碇…レイ…違う…綾波、レイ」のシーンは解釈に困る。まだシンジとレイは出会ったばかりだというのに非常に唐突だ。これは綾波シンジや碇レイが存在した過去のループの暗示か? 情報が少なすぎてとても確定するには足りない。
  • リリスの胸の傷は右から左。ミサトの胸の傷は左から右。但し、傷の位置と形、大きさはそっくり。セントラルドグマのシーンでは正対しているため、丁度鏡像関係になっている。単なる偶然か?
  • 零号機起動実験時、暴走後にエントリープラグが「エヴァ側に引き込まれ」ている。これは単なる物理的表現なのか、或いはエントリープラグの中身が零号機に取り込まれかかったという事なのか? 後者であれば、旧作の初号機同様に今回の零号機にもヒトの魂が宿っている事の暗喩なのか? ダミープラグはまだ評価試験前の段階というが…。
  • ミサトの部屋、ろくでもないリキュール類は全て「獺祭」に変わっていた。善哉善哉。本や雑誌については、NAVIとJIDAIについては確認できたが、韓非子君主論は確認できず。目が追いつかなかった。
  • 虹がかかったシーンは3つ。サキエルが死んだ時と、シャムシエルが死んだ時と、シンジがレイを押し倒した時。ラミエルが死んだ時には虹はなかった。前者に共通しているのは「直接接触により『倒した』」こと。ラミエルは遠距離射撃だったから直接触れてはいない。今回のレイは使徒? いや、まさかねwww
  • 冒頭、半壊したままの第三新東京市。苔むして崩れた道路。EoEを想起させる壊れ具合。ただ、EoEでは黒い月の浮上によって地上の第三新東京市は跡形もなく吹き飛んだはず。山に残る人型の白線も気になる。山に残るような痕を残したのはシャムシエル戦の初号機だけのはずだが。中途半端な巻き戻しループの暗示か?
  • ゲンドウ、初号機、シンジ。繰り返される「焼け爛れた手」のモチーフ。全て「他人の為に負った傷」。宗教的な意味でもあるのか。
  • リッちゃんの「すべからく〜」はゲンドウに対するdis。息子も自分もほっぽり出してレイにかまけやがって、というジェラシーと見た。母ちゃんと同じトラップに嵌りつつあります。
  • B棟は旧プリブノーボックス。TV版第13話でイロウルの攻撃を受けて大破、以後放棄。TV版での使徒数は13→17と当初予定より水増しされているが、恐らくイロウルがそれに当たるのだろう。その舞台となるB棟の建設はこれ以上進まないという。つまり「使徒、侵入」のエピソードはごっそり削られる公算が高い。
  • 月面のリリスは胴体が縦に大きく裂け、縫い直した痕が。首にも繋ぎ直したような痕がある。これは前回のリリス(最終的に巨大レイ)の傷跡と酷似している。やはりダークサイドオブザムーンは過去の補完失敗のゴミ捨て場か。或いはシンジの心の赤い部屋か。
  • ミサイルや機体が画面近傍を通過する際に画面を衝撃波風に揺らす描写、爆砕ボルト点火時に巻き込まれて転落していく乗用車、ミサトとリツコのヘルメットにマジックで書かれた「作①」「技①」の文字等々、細かい演出に微笑。こういうところは相変わらずだ。
  • 死ぬと形象崩壊して赤い液体に還る使徒。その色は海の色と酷似している。今回の使徒はEoEラストシーンの生命のスープから生み出されている? 使徒の本質は今度こそヒトなのか? 他者を求めて実体化したヒト達が使徒の形を取っているのか? その迎撃と殲滅は、やはり(本来の意味での)人類補完計画の一過程なのか? …附言すれば、その赤い液体は人間にとって有害のようだ。ミサトやマヤは防護服を着てたし、リツコの水着が省かれたのもその理由によるものだろう。非常に興味深い描写と云える。
  • サキエル戦後「暴走時のレコーダーは」「容量ゼロです。何も書き込まれていませんでした」「結果、原因不明ね。兵器としての信頼性…ちとキビシすぎるわね」とリスクの高さに言及するミサト。また、風呂のシーンで「予備報告もなく、唐突に選出された3人目の少年。それに呼応するかのようなタイミングでの使徒襲来。併せて、強引に接収された碇司令の息子。確かに違和感残る案件ね」と疑問を呈するミサト。加持の来訪もまだだってのに、早くもTV版後半のような探偵根性が。今回の謎解き役は彼女になるかも。
  • 「初号機パイロットの処置はどうするつもりだ?」「ダミープラグは試験運用前の段階だ。実用化に至るまでは今のパイロットに役立ってもらう」「最悪の場合、洗脳か」「駄目な時はレイを使うまでだ」「レイを初号機に? …あまりに危険すぎないか」「いかなる手段を用いても、我々はあと8体の使徒を倒さねばならん」「全てはそれからか」という冬月とゲンドウの会話に違和感。TV版では平気でレイを初号機に乗せていた(拒絶されたが)。コミック版でも然り。何故今回に限ってレイと初号機の接触が危険なのか。初号機にサルベージされたユイの魂を恐れているのか? 或いは、新たに懸念する必要があるほど今回のレイが「別物」ということなのか?
  • 「結局、お前の息子は予定通りの行動をとったな」「ああ。次はもう少しレイに接近させる。計画に変更はない」「14年前からのシナリオ。運命を仕組まれた子供達か。…過酷すぎるな」という冬月とゲンドウの言葉は、シンジやレイの役割がその生誕から何者かに計画されていたことを暗示している。前作ではシンジがエヴァに乗ることになったのも、レイが生み出されたのも、シンジ生誕後のユイの願いや意図によるものだった。この点は大いに注目すべきだろう。過保護をやめた途端に息子がしくじった事(結局最後にやったことは、ユイさえ居れば他人は要らんというゲンドウの態度と大差ない。遍く人を元の姿に戻すこともできたのに、復活させたのはアスカだけ。キミとボクとの地獄絵図。セカイ系バッドエンドかよと)に忸怩たる思いを抱いたユイが再び糸を引いているのか? 或いは、今回の物語の主軸からユイは排除されており、ゲンドウや冬月やゼーレが神の視点(それが死海文書外典、或いは掟の書か)か、ループ外の視点を持って計画を進めていることを示しているのか?
  • レイに接近させる真意は、前回シンジがレイではなくアスカに転び、EoEのラストを迎えたことからの反省を示しているのか? 空虚から始まって最終的に他者=シンジを求めるに至ったレイに、今度こそシンジをキャプチャーさせるという狙いがあるのか? その行き着く先はゼーレ流人類補完計画の完遂か? であるならば、今回はゼーレとゲンドウの目的は一致しているのか? このあたり、どうしても予想が混乱する。
  • そして「第27次補完計画」という文言はやはり26話ループからの脱却を暗示しているのか? 或いは庵野の「今回は新しい物語だよ」というメッセージなのか?

 以下、予告編について。

  • ミサトが思いっきり右ストレートをリッちゃんにぶち込んでるシーンがイカス。しかもその後で血相変えて詰め寄ってる。TV版ではシンジが初号機に取り込まれた後にあったシーンだろう(つまりゼルエル戦後)。前回はビンタだったのに今回はグーパンチですか。怒りを増幅させる何かがあったのか?
  • TV版の通り四号機はNERV第二本部と共に消滅し、参号機はバルディエルに乗っ取られる模様。TV版のような制約は今回ないので、今度こそトウジはお陀仏か。哀れなり委員長。
  • 「仮設」伍号機ってどういうことだろう。旧作では伍号機は量産型の一機だったのだが。あと、六号機の造形があやしすぎる。なんだあのグリフォンみたいな頭部は。ホモ自重www
  • レイ、アスカ、シンジの絵は全てゼルエル戦時のもの。つまり惣流さんは早くも要らない子になるってことですかトホホ。
  • 新キャラの眼鏡っ子、ユイの墓があった集団墓地みたいな場所で登場。但しあのときの墓碑ではなく、十字架で埋め尽くされた光景。これは単に墓碑のデザイン変更なのか、EoEの暗喩なのか? 白衣着てるし、ありゃ山岸マユミかユイ本人だろうと思ってたんだが、ちょっと解らなくなった。純然たる新キャラかも。大胆な予想をすれば、コミック版に出てきた「惣流・キョウコ・ツェッペリン意中の男性の正妻が生んだ娘」の可能性も。ビジュアル的には有り得る話だ。

 何行書いても何行書いてもエントリが終わらないよ(エアーマン風に)。なんでここで締める。マジでキリがない。ヱヴァ厨乙!