性転換エヴァンゲリオン 第壱話 『使徒、襲来』 脚本(Bパート)

 Aパートの反応が皆無で非常に悲しい今日この頃ですがwww、続いてBパートをお届け致します。リツト先生のセクスィーポーズに思わず前屈みwww Bパートも殆どジェンダーチェンジのみですが、徐々に違いを出していければなぁと考えております。

承前

 以下のシナリオは、『EVANGELION ORIGINAL?』の書式に準拠して作成されています。但し、ビデオ収録版と差異がある場合にはビデオ版の描写に優先的に準拠しています。予めご了承下さい。


Bパート


  ロングでジオフロント内、ネルフ本部周辺俯瞰。
  シンコは胸にIDカードを付け、マサトはジャケットを羽織っている。


マサト「おっかしいなあ。確かこの道のはずだよなあ」


  ネルフ本部内、自動走路を進む二人。
  地図(「WC」「この辺!!」と赤マジックで特記あり)を見るマサト。
  ゲートハッチをくぐった途端に強風。慌ててスカートの裾を押さえるシンコ。


マサト「こ、これだからスカート履きづらいんだよなあここ。…しっかしリツトはどこいっちまったんだ。ごめんな、まだ慣れてなくてさ」


  貰ったパンフを見ているシンコ。


シンコ「さっき通りましたよ、ここ」
マサト「ぐっ…でも大丈夫。技術は利用するためにあるからな」


  ケージ内、LCLプール。


男A(OFF)「技術局1課、E計画担当の赤木リツト博士、赤木リツト博士、至急作戦部第1課、葛城マサト一尉までご連絡下さい」


  プールサイドに置かれた空気ボンベ。
  ウェットスーツを脱ぎ、ゴーグルを外すリツト。


リツコ「あきれたな。また迷ったのか」


  エレベータ内。フロアのカウントが進んでいく。
  停止し、開くドア。マサトの眼前に厳しい顔のリツト。
  ビキニパンツ型の水着の上に白衣を羽織っている。
  そのままエレベータ内へマサトを押し込む。


マサト「げ。…や、やぁリツト…」
リツト「何やってたんだい葛城一尉。時間もなければ、人手もないんだよ」
マサト「……(手を顔の前にかざして)ごめんっ!」
リツト「(ため息をついて)例の女の子だね」
マサト「そ。マルドゥックの報告書によるサードチルドレン」
リツト「よろしく」
シンコ「は、はい」
マサト「これまた母親そっくりなんだわ。可愛げのないところとかなー」


  シンコを見るリツト。


○同・作戦管制室
碇「では、後をたのむ」


  降りていく碇。


冬月「三年ぶりの対面か…」
日向「副司令、目標が再び移動を始めました」
冬月「では、総員第一種戦闘配置」
男A「繰り返す。総員第一種戦闘配置。対地迎撃戦用意」


  上昇していくエレベータ。
  パンフレットを読み耽るシンコ。
  壁を突き破って出ている巨大な手にも気付かない。*1


マサト「だとさ」
リツト「これは一大事だね」
マサト「で、初号機はどうなんだ?」
リツト「B型装備のまま冷却中」
マサト「それホントに動くのか? まだ一度も動いたことないんだろ?」
リツト「起動確率は0.000000001%。09システムとは、よく云ったものだね」
マサト「(皮肉っぽく)それって、動かない、ってことか?」
リツト「おや失礼な。ゼロではないよ」
マサト「数字の上ではな。ま、どのみち、動きませんでした、ではもう済まされないな」


  ホバークラフト上の3人。
  壁に囲まれた水路を進む。
  奥に腕のレリーフのような壁。(行き止まりになっている)
  そこに横付けしてあるホバークラフト


シンコ「…ん?あ、真っ暗ですよ?」


  いきなり点灯される照明。
  シンコの眼に飛び込む、巨大なエヴァの顔。
  ドキッとするシンコ。


シンコ「わっ!」


  鬼、を連想させる顔。
  まるでシンコを見てるかのような初号機の視線。


シンコ「顔…巨大ロボット…」


  パンフレットをめくるシンコ。


リツト「探しても、載ってないよ」
シンコ「え?」
リツト「人の作り出した究極の汎用人型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオン。その初号機。建造は極秘裏に行われた、我々人類最後の切り札さ」
シンコ「(感情を押し殺したように)これも母の仕事ですか」
碇「そうよ」


  スピーカーから響く声。
  見上げるシンコ。
  エヴァの顔の向こう、管制室のガラスに人影。
  碇ゲンノの顔。


碇「ひさしぶりね」
シンコ「母さん」


  モニターのシンコ。目線を外す。
  それを見て笑い顔になる碇。


碇「出撃」
マサト「出撃? 零号機は凍結中だろ? (初号機をチラと見て、リツトに)まさか、初号機を使うつもりなのか?」
リツト「他に道はないよ」
マサト「おい! レイジはまだ動かせないだろ。(チラとシンコを見てから)パイロットがいないぜ」
リツト「さっき、届いたよ」
マサト「…マジかよ?」
リツト「碇シンコちゃん」
シンコ「はい」
リツト「きみが乗るんだ」
シンコ「え…?」
マサト「けど、綾波レイジでさえ、エヴァとシンクロするのに7ヶ月もかかったんだろ。今日来たばかりのこの子には、とても無理だ」
リツト「座っていればいいよ。それ以上は望まない」
マサト「しかし…」
リツト「今は使徒殲滅が最優先事項だ。その為には誰であれ、エヴァと僅かでもシンクロが可能な人間を乗せるしか、方法はないよ。わかっているはずだ。葛城一尉」
マサト「…(決意して)そうだな」


  カメラ、シンコへ。


シンコ「(視線を下に外して)…母さん、なぜ呼んだの」
碇「お前の考えている通りよ」
シンコ「…じゃあ、私がこれに乗って、さっきのと戦えっていうの?」
碇「そう」
シンコ「いやだよ!そんなの!何を今更なの!母さんは私がいらないんじゃなかったの!?」
碇「必要だから呼んだまでよ」
シンコ「…何故、私なの!?」
碇「他の人間には無理だからね」
シンコ「無理だよそんなの…見たことも聞いたこともないのに、できるわけないよっ!!」
碇「説明を受けなさい」
シンコ「そんな…できっこないよ!こんなの、乗れるわけないよ!!」
碇「乗るなら早くおし。でなければ、お帰り!」


  作業員ら全員が、シンコを見ている。冷たい目。
  使徒の攻撃が本部直上に着弾。揺さぶられる本部。


碇「奴め、ここに気付いたか」
男C「第1層、第8番装甲板、損壊」
リツト「シンコちゃん、時間がない」


  マサトをすがるような目で見るシンコ。


マサト「乗りなさい」
シンコ「…嫌だよ…せっかく来たのに…こんなのないよっ!」
マサト「シンコちゃん。…何のためにここに来たんだ?」


  顔を背けるシンコ。


マサト「駄目だよ、逃げちゃ。お母さんから…何よりも自分から」
シンコ「…わかってるよ! でも、できるわけないよ!!」


  沈黙。マサトがシンコの傍らから下がる。


碇「(目線を上げて)冬月、レイジを起こして」
冬月「使えるの?」
碇「死んでいるわけではないわ」
冬月「わかった」
碇「レイジ」
レイジ「はい」
碇「予備が使えなくなった。もう一度よ」
レイジ「はい」


リツト「(決意して)初号機のシステムをレイに書き直して、再起動」
伊吹「了解。現作業を中断。再起動に入ります」


  仕事につくためにシンコの側から離れていくリツトとマサト。
  もう誰もシンコを見ていない。
  依然、黙ったままのシンコ。


シンコ「やっぱり私は…(過去のフラッシュバック入る)いらない人間なんだ…」


  ベッドに横たわった少年が運ばれてくる。
  横には点滴。体のあちこちに包帯を巻かれている。
  戦闘服姿のレイジである。
  シンコらの前を通り過ぎるレイジ。
  エントリープラグの前でベッドは止まり、立ち上がろうとするレイジ。
  苦痛に歪む顔。
  逡巡するシンコ。


  使徒の攻撃。眼らしき穴が光る。
  ジオフロントにまで攻撃が貫通し、十字の火球が立ちのぼる。
  地下天井ビルの一つがズレ落ちる。
  本部ビルのすぐ側に落下するビル。
  森に激突する。湖に散る破片が水柱を上げていく。
  大振動のネルフ本部。*2


  その衝撃でベッドから転げ落ちるレイジ。
  尻餅をつくシンコ。
  落下するライト。シンコに迫る。


マサト「あぶないっ!」
シンコ「きゃあっ!」


  水から飛び出してくる、エヴァの右手。
  シンコを庇うようにライトを弾く。
  弾かれたライトは、碇の所へ。
  彼女の目前で、ガラスにぶつかり砕け落ちるライト。
  微動だにしていない碇。(つまり止め*3のまま)
  それどころか笑っている口元。


  拘束具を引きちぎり、右手を出したまま止まっている初号機。


モブ「エヴァが動いた!」
モブ「どういうことだ!」
男B「右腕拘束具を、引きちぎっています!」
リツト「まさか、ありえない。エントリープラグも挿入していないんだ。動くはずないよ」
マサト「インターフェイスもなしに反応している…というより、守ったのか?彼女を」


  シンコを見て微笑むマサト。


マサト「いける!」


  レイジに駆け寄るシンコ。
  倒れているレイジを抱き起こす。
  苦痛に顔を歪ませ、体を硬直させるレイジ。声が漏れ、大きく息をしている。
  うろたえた表情で初号機を振り返るシンコ。
  視線を戻したシンコの目に、レイジの血でべったりと濡れた右手が映る。
  シンコ、きつく瞼を閉じて自分に言い聞かせる。


シンコ「あぁっ…! …逃げちゃ駄目。逃げちゃ駄目。逃げちゃ駄目。逃げちゃ駄目。逃げちゃ駄目っ…!」
シンジ「−−やります。私が乗ります」


ネルフ本部・ケージ
  ダム放水のように注水されていくLCL


モブ「冷却終了」
モブ「右腕の再固定完了」
モブ「ケージ内、すべてドッキング位置」
伊吹「了解。停止信号プラグ、排出終了」
モブ「了解。エントリープラグ挿入」
モブ「脊髄連動システムを解放。接続準備」
モブ「プラグ固定、終了」
モブ「第一次接続開始」


  エヴァ本体に接続されていくエントリープラグ(操縦席)。
  装甲板が閉じ、ロックされる。
  プラグ内のシンコ。
  操縦席に座っている。緊張した顔。


伊吹「(OFFで)エントリープラグ、注水」
シンコ「え…な、なんですかこれ…ウグッ」


  水溶液が満たされていく。
  あわてるシンコ。


リツト「大丈夫。肺がLCL*4で満たされれば、直接酸素を取り込んでくれます。すぐに、慣れるよ」


  空気を吐き出すシンコ。


シンコ「うっ、気持ち悪い」
マサト「我慢しろ、パイロットだろう」


モブ「主電源、接続」
モブ「全回路、動力伝達。問題なし」
リツト「了解」
伊吹「第二次コンタクトに入ります」


  読み上げられる、チェック事項の確認。


伊吹「A10神経接続、異常なし」*5
男C「LCL電化率は正常」
リツト「思考形態は日本語を基礎原則として、フィックス」


  ハーモニクスにより色とりどりに変化するエントリープラグの内壁。


リツト「初期コンタクト、全て問題なし」
伊吹「双方向回線、開きます」


  シンクロしていくグラフ。


伊吹「シンクロ率、41.3%」
リツト「すごいな」
伊吹「ハーモニクス、全て正常値。暴走、ありません」
リツト「(マサトを振り向いて)いけるよ」
マサト「(頷いて)発進、準備!」


○ケージ
モブ「発進準備!」
モブ「第1ロックボルト、外せぇ!」
モブ「解除確認」
モブ「アンビリカルブリッジ、移動開始」
モブ「第2ロックボルト、外せぇ!」
モブ「第1拘束具、除去。同じく第2拘束具、除去」


  各部の拘束具が外れていく。


モブ「1番から15番までの安全装置解除」
男C「解除確認」
男B「現在、初号機の状況はフリー」


  次々と進められていく発進準備と換装作業。
  初めて、全身をあらわにするエヴァ初号機


女B「内部電源、充電完了」
男B「外部電源用接続、異常なし」
伊吹「了解。エヴァ初号機、射出口へ」


  固定台ごと移動し、射出口へと進む。
  緊張した面持ちのシンジ。
  巨大な昇降機にセットされる初号機。
  足元がロックされ、次々に開いていく装甲シャッター(多重式)。


ネルフ作戦管制室
伊吹「(OFFで)進路クリア、オールグリーン」
リツト「(OFFで)発進準備、完了」
マサト「了解」


  振り返り、碇を見る。


マサト「(真顔で)かまいませんね」


  顔の前で両手を組んだままの碇。


碇「もちろんよ。使徒を倒さぬ限り、我々に未来はないわ」


  碇の隣で、目も合わせずに小声で話す冬月。


冬月「碇、本当にこれで、いいのね」


  沈黙したまま薄く微笑む、碇。


マサト「発進!」


  昇降機のロックが外れ、射出。そのまま空洞を急上昇していく。
  Gにうめき声を上げるシンコ。


○夜の第3新東京市
  稜線が薄く明るい夜空にそびえる、墓石のようなビルのシルエット。
  小さく明滅する赤いライト。
  ビルの陰から出現する巨人、使徒サキエル
  その時まるで、行く手を阻むように前方の道路が分かれ、下から迫り上がり出現する、エヴァンゲリオン初号機。
  そのシルエットを1本の探照灯が照らしている。
  立ち止まる使徒。光球が赤く光る。
  深夜のビル街で対峙する2対の巨人のシルエット。


  プラグ内。不安なシンコ。
  管制室のマサト。


マサト「シンコちゃん…死ぬなよ」



[テロップ]−−つづく−−(黒バックに白字)


*1:手は凍結中の零号機のもの。

*2:ネルフ本部は、第3新東京市の地下に広がるジオフロント内にある。天井ビルとは、ジオフロントの巨大な空洞の天井からぶら下がっているビルのこと。

*3:「止め」とは、業界用語で動きのないセル画面を示す。

*4:LCLとは、エヴァパイロットを繋ぎ、また、パイロットをショックから守る溶液。

*5:A10神経とは脳のドーパミン神経の一つ。記憶や認知、運動の遂行等の高次な脳機能と不安や恐れ、幸福感や快感等の情動と関係する。エヴァパイロットは、A10神経の強いシンクロにより一体となる。