性転換エヴァンゲリオン 第弐話 『見知らぬ、天井』 脚本(Bパート)

 第弐話Bパートをお届けします。かなり改変が入りました。それも概ねえちい方向にwww まあ、条例抵触確実な淫行作戦部長が全部悪いってことでひとつ。俺のシンコのおヌードを二度に亙り拝謁した彼奴には地獄すら生温いwww こんなヴォルフスシャンツェに年頃の娘を平気で放り込む碇司令万歳。ネグレクトも極まれりであります。

承前

 以下のシナリオは、原則として『EVANGELION ORIGINAL I』の書式に準拠して作成されています。但し、ビデオ収録版と差異がある場合にはビデオ版の描写に優先的に準拠しています。また、オリジナルの表現も含まれております。予めご了承下さい。


Bパート


○マサトの住むマンション
  外灯の明かりはついているが、マンションの部屋には人の生活をしるす、明かりがない。
  SEで鉄道のクラクション。


○同・廊下
  シンコを自分の部屋に案内しているマサト(引き絵で)。


マサト「シンコちゃんの荷物は、もう届いてると思う」


○同・ドアの前
  ドアの前には、段ボール3個。シンコの荷物である。
  鍵を開け、ドア(自動ドア・横スライド式)*1を開くマサト。


マサト「実は俺も、先日この街に引っ越してきたばっかりでさ」


  屋内に一歩入って振り返るマサト。


マサト「さ、入って」
シンコ「(思いっきり遠慮がちに)あ、あの…お邪魔します」


  その言葉に眉をひそめるマサト。


マサト「シンコちゃん。ここは、君の家なんだぜ」


  躊躇いがちにドアから一歩踏み入るシンコ。


シンコ「(言い慣れない言葉なのでしどろもどろに)た、ただいま」
マサト(笑顔で)おかえり」


  閉まるドア。
  かくして、二人の生活が始まる。


  部屋の明かりがつく。


マサト「まぁ、男所帯なんでちょっと散らかってるけど、気にしないでくれ」


  机の上に散乱するポテチの袋、洗っていない丼複数、デリバリーピザの空き箱、オールドパーの空き瓶、「酒・山口」とラベルに記された日本酒*2の瓶、ヱビスの空き缶、缶、缶。
  段ボールの上や隙間に散らばる雑誌、ペットボトル、紙屑。
  出していない大量のゴミ袋。入りきらずに上に放り投げてあるコンビニ弁当の屑、ホワイトアンドマッカイの空き瓶、ヱビスの空き缶、缶、缶。
  棚の上に無造作に並べてある、アイリッシュミスト、ペルノーコアントローデカイパー・ホワイトキュラソーカンパリグランマニエ、フンメルなどの瓶。半分以上は口が開いている。
  あまりの惨状に唖然となるシンコ。顔の上半分に縦線が入る。


シンコ「…これが…ちょっと?」
マサト「(襖の向こうから顔だけ出して)あ、ごめん。食いもんを冷蔵庫に入れといてくれ」
シンコ「は…はい…」


○同・キッチン
  冷蔵庫を開けるシンコ。
  一段目、氷のみ。


シンコ「氷…」


  二段目、焼鳥缶とおつまみチーズのみ。


シンコ「ツマミ…」


  三段目、ヱビスの山。


シンコ「ビールばっかり…どんな生活してるんだろ…」


  部屋の奥に巨大な冷蔵庫。


シンコ「あの、あっちの冷蔵庫は?」


  襖の向こうで、部屋着に着替えているマサト。
  布団の周りには自動車雑誌と男性雑誌、ビールの空き缶などが散乱している。


マサト「あ、そっちはいいんだ。まだ寝てると思うし」
シンコ「…寝てる?」


  首を捻りつつ、もう一度周囲の惨状を確認して、意を決するシンコ。


シンコ「…食事の前に」
マサト「うん?」
シンコ「これ、片付けます。生ゴミの間で食事するの、イヤですから」


  憮然としながら、てきぱきとゴミをまとめて玄関へ持っていくシンコ。
  ぽかんとするマサト。
  OFFで、ガサゴソという音に混じって「ああもう腐ってるし」「缶を潰すくらいしておいてくれないかなあ」「わあっ、変な汁が。もうやだー」「洗い物溜めすぎ。一体何日放ってあるんだろう」等のシンコの愚痴が延々と聞こえてくる。やがて、襖の向こうからひょいと顔を出す。


シンコ「(ジト目で)ゴミ捨て場に持っていくの、手伝ってくれませんか。一人じゃ無理ですよ、この量」
マサト「はいはいはい」


  慌ててリビングダイニングに向かうマサト。ため息混じりに。


マサト「…訂正するわ。お袋さんとはえらい違いだ。シンコちゃん、いい嫁になれるぜ…」


  チーン。
  SE先行*3で電子レンジの音。
  テーブルの上に並ぶ数々のインスタント食品。
  リビングダイニングはきっちり片付けられている。げんなりした表情のシンコ。


マサト「いっただっきまーす」
シンコ「…いただきます」


  さっそくヱビスをあおり、きっかり五口であけるマサト。


マサト「ぷっはー! くぅーっ! やっぱ人生、この時のために生きているようなもんだよなァー!」


  落ち着かない感じのシンコ。
  ゴミを散々いじったせいか、食欲がなさそう。


マサト「食べないのかい? 結構いけるぜ。インスタントだけどさ」
シンコ「いえ、あの、こういう食事、慣れてないんで…」
マサト「だめだぜ、好きキライしちゃあ!」


  ビール缶を振り回し、身を乗り出すマサト。


シンコ「や、あ、違うんです…あの…」


  マサト、笑顔で。


マサト「楽しいだろ?」
シンコ「え?」
マサト「こうやって他人と食事すんのがさ」
シンコ「(引き気味で)あ…はい」
マサト「さっきはゴメン。来たばっかの女の子にゴミ掃除させちまって」
シンコ「い、いえ…あと、洗濯物が随分溜まってるみたいなんですが…」
マサト「…ぐっ。あ、あれはいいんだ。後から自分でやっとくから」
シンコ「(内心で)結局私がやることになるんだろうなぁ…」


  場面転換。再び鉄道のクラクション。
  テーブルには既にヱビスの空き缶ピラミッドがそびえている。


マサト「じゃあ、次いくぜ…ジャンケン、ポン!」


  5回続けてグーを出すマサト。
  最後に折れてチョキに変えるシンコ。


マサト「あー…悪いなシンコちゃん…」


  食事当番やゴミ当番、風呂掃除当番などが書いてある紙。
  ものの見事に殆どがシンコの担当になっている。
  肩を落とすシンコ。


マサト「(さすがにばつが悪そうに)あー、俺のぶんもう少し増やそうか? これでホントにオッケー?」
シンコ「…ハイ」
マサト「そっか…まあ、あれだ。今日からここは君の家なんだから、なんにも遠慮なんていらないんだぜ」
シンコ「(顔を引きつらせながら)あ…ハイ」
マサト「んー、そのハイハイハイハイ云うのはどーも辛気臭くていかんな…」


  身を乗り出してシンコの頭をガシガシ掻き回すマサト。


マサト「もうちょっとシャキッとしようぜシャキッと」
シンコ「(身を竦めながら)ハ…ハイ」
マサト「まァ、いいか。(オーバーアクションで)ヤなことは風呂にでも入って、パーッと洗い流しちまえばいいさ。風呂は命の洗濯だからな」


○同・脱衣所
  洗濯場に干しっぱなしの下着。
  顔を赤らめてマサトの洗濯物に気を取られたまま、風呂のドアを開けるシンコ。
  ドアの向こうで身を震わせて水を切るペンギン。


シンコ「(OFFで)きゃああああっ!」


  廊下を駆けてくる足音。
  カーテンを引き開け、パニックで血相を変えているシンコ。
  身体はヱビスの缶で隠れている。


シンコ「ま、ま、ま、まままマサトさんっ!」
マサト「(平然と)何だい?」
シンコ「あ、あ、あ、ああああ…(移動する物体を目で追いながら)あ、あれ!?」


  何事もなかったかのごとく、ぺたぺたとシンコの前を横切るペンギン。


マサト「(シレッと)ああ、彼女? 新種の温泉ペンギンだよ」


  ドアを開け、シンコを一瞥すると大型冷蔵庫の中に入るペンギン。*4


  呆然とそれを見送るシンコ。マサトに向き直る。


シンコ「あ、あ、あ、あれ…」
マサト「名前はペンペン。もう一人の同居人さ」


  ヱビスの缶を手に取るマサト。
  シンコのボディはキッコーマン卓上瓶で競泳水着のように隠蔽されている。絶妙のカメラアングル。


マサト「それよりさ…その、隠したら?」


  自分の状況に気付くシンコ。目を大きく見開く。
  マンションを揺るがすシンコの悲鳴。
  そのままダッシュで風呂場へ遁走する。


マサト「(耳を塞いだ手をどけて)耳鳴りが…ちょっとわざとらしくハシャぎすぎたか。見透かされてるのはこっちかもな。しかし…(ここで初めてうすく赤くなり)あれが昨日のヒロインとはなあ」


○同・浴室
  湯煙の中に浮かぶ天井の丸い暖かなライト。
  浴室に響くシンコのすすり泣き。


シンコ「もう、最悪…」


  滲んだ視界に見慣れない天井が映る(半面UPで)。


シンコ「葛城マサトさん。悪い人じゃないんだよね…(マサトの前の台詞「風呂は命の洗濯だからな」がインサートされ)でもなあ…いきなり見られちゃうなんて…」


  頭を抱えながらも、今までの出来事を反芻する。
  テレビを見ているマサトの明るい笑い声が聞こえてくる。


シンコ「これから、どうなるんだろう…」


  鼻をすすり上げ、天井を見上げるシンコ。


シンコ「それに、風呂って嫌な事を思い出す方が多いよね…母さんと…綾波、レイジ…」


  そのままぶくぶくと湯船の中に沈んでゆくシンコ。


ネルフ内・実験場
  凍結されている零号機。


リツト「(OFFで)レイジの様子はいかがでしたか?」


  破壊された室内。碇とリツトが佇む。


リツト「午後、行かれたのでしょう? 病院に」
碇「あと二十日もすれば動けるわ。それまでには凍結中の零号機の再起動をとりつける予定よ」
リツト「つらいでしょうね、あの子たち」
碇「エヴァを動かせる人間は他にいないの。生きている限り、そうしてもらうわ」
リツト「子供たちの意思に関係なく、ですか…」


○マサトのマンション・キッチン
  いつの間にかテーブルの上のピラミッドが拡大している。
  ヱビスをあおりながら時計に目をやるマサト。
  シンコが風呂場に消えてから2時間近く経っている。


マサト「まさか、のぼせたりしてんじゃないだろうな…」


  腰を上げ、廊下を風呂場のほうへ消えるマサト。以下の台詞はOFFで。


マサト「シンコちゃん、大丈夫かい? 随分長風呂みたいだけど…」


  10秒間、無音。


マサト「シンコちゃん? 入るよ?」


  扉を引きあける音。続いてガタン、という音。


マサト「おい、シンコちゃん! シンコちゃん! しっかりしろ!」(以下水音)


○同・シンコの部屋
  襖にセロテープで張り紙。「シンコちゃんの部屋(ハートマーク)」とマサトの文字で書いてある。
  正直キモい。
  ベッドに仰向けに寝かされているシンコ。
  薄手の掛け布団を掛けられているだけで、何も身に付けていない。
  額の上には濡れ手拭。
  薄く目を開けるシンコ。


シンコ「…あれ? 私、お風呂に入って…」


  そこまで考えて跳ね起きるシンコ。濡れ手拭が宙を舞う。
  自分の身体に目を遣り、事態を把握する。


シンコ「…うそ…」


  再び響くすすり泣き。
  周囲には、段ボールのままの荷物。#1*5の鞄など。
  机の上には、第壱中学校への転入届。


マサト「(台詞先行)今はまだ大丈夫みたいだけど、やっぱ随分無理してるみたいだな。あんな目に遭ったんだ、また乗ってくれるかどうか…」


○同・浴室
  風呂場でリツトと電話しているマサト。
  足されているお湯。湯船から流れっぱなし。水音が響く。


リツト「彼女のメンテナンスも、君の仕事だろ?」
マサト「おっかなくてなあ。年頃の女の子との接し方なんて、この歳になると解んなくてさ」


  場面、技術本部に転換。笑顔でマサトを揶揄するリツト。


リツト「もう泣き言かい? 自分から引き取るって、大見得切ったんじゃないか」
マサト「やかましい、大きなお世話だ!」


  大声に顔を顰めるリツト。場面戻って、子機をOFFにするマサト。


マサト「あの時、俺は彼女を自分の道具として見ていた…(自嘲の笑みを浮かべながら)情けねえ話だ。所詮リツトと同じ穴の狢ってワケか…」


  天井からの絵に切り替わって。


マサト「しかし、あの使徒を倒したってのに…嬉しくないんだな、あの子」


○同・シンコの部屋
  消えた天井の蛍光灯。
  部屋着に着替えたシンコ。


シンコ「ここも…知らない天井…」


  それをまんじりともせずに見ているシンコ。傍らには読みかけの本。耳にはヘッドホン。


シンコ「当たり前か。この街で知ってるとこなんて、どこにもないもんね…」
マサト(回想)「ここは、君の家なんだぜ」
シンコ「…なんで、ここにいるんだろう…」


  微かに震える瞳。
  目を閉じる。
  と、突然、彼女は不安と恐怖に襲われる。
  脳裏に次第に響いてくるガン、ガン、という音。
  頭の中でフラッシュバックされる戦闘の記憶。
  今、改めて、「怖さ」がぶり返してきたのだ。
  うずくまり、感情を押し殺し、震えるシンコ。


○戦闘時の回想
  初号機の頭部を貫通するパイルバンカー。
  串刺しのまま飛ばされ、背後のビルに激突する初号機。
  パイルが引き抜かれると上下に吹き出す夥しい血のような赤い液体。
  パネルに表示される「非常事態/EMERGENCY」の表示。


ネルフ本部・作戦管制室
青葉「頭部破損。損害不明」
男A「活動維持に問題発生」
マサト「状況は!」
伊吹「シンクログラフ反転。パルスが逆流しています」
リツト「回路遮断。せきとめて」
伊吹「ダメです。信号拒絶、受信しません」
マサト「(険しい表情で)シンコちゃんは?」
日向「モニタ反応なし。生死不明」
青葉「初号機、完全に沈黙」
リツト「(振り返って)マサト!」
マサト「ここまでか…作戦中止、パイロット保護を最優先。プラグを強制射出しろ!」
伊吹「ダメです、完全に制御不能です!」
マサト「(愕然として)なんだって…!?」


  項垂れて何の反応も示さない初号機。
  シンコの混乱も続く。
  そして、突然光が戻る初号機の左眼。
  グアッと口が割れる。
  呆然と見ているマサトたち。


男A「エヴァ、再起動」
伊吹「そんな…動けるはずありません!」
マサト「まさか…」
リツト「…暴走!?」


  大きく口を割り、夜空に咆哮する初号機。*6
  膝を落とし、大きく跳躍する。
  いきなり使徒に蹴りを入れ、そのまま取り付く。
  上から押さえ込みにかかるが、使徒の左腕に払われる。
  大きく跳び退り、使徒に向き直る初号機。
  それを眺める作戦司令室の碇と冬月。


冬月「勝ったわね」


  咆哮しつつ獣のように使徒に突進していく初号機。
  しかし、使徒に迫ったところでオレンジ色の防壁に弾き止められる。


リツト「A.T.フィールド!」
マサト「ダメだ。A.T.フィールドがある限り…」
リツト「…使徒には接触できない!」


  身を起こし、自らもA.T.フィールドを展開し瞬時に左腕を修復する初号機。


青葉「左腕、復元」
マサト「凄え…」


  使徒A.T.フィールドに手を掛ける初号機。
  そして、自らのA.T.フィールド使徒のそれに重ねてゆく。


伊吹「初号機もA.T.フィールドを展開。位相空間を、中和していきます」
リツト「違う…侵食しているんだ」


  引きちぎるように使徒A.T.フィールドを破る初号機。


マサト「あのA.T.フィールドを、いとも簡単に…」


  咆哮しつつ使徒に迫る初号機。
  至近距離で、既にクラックの入った仮面の奥からビームを放つ使徒。しかし初号機は後退すらしない。
  そのまま使徒の両腕を掴み、握り潰す。飛び散る青い液体。
  為す術の無い使徒。初号機の蹴りを喰らい、吹き飛ぶ。
  更に突進する初号機。のしかかり、ビルごと使徒を押しこんでゆく。
  馬乗りになったまま、使徒の光球に拳を叩き込む。
  埒があかないと見るや、肋骨に手を掛け、左右に引き折る。
  そして折った肋骨を握り締め、冷酷に光球に叩きつける。
  一発、二発、三発、四発。
  使徒の眼が光り、初号機に取り付くと自ら球体化。


マサト「自爆する気か!?」


  大爆発を起こす使徒
  ホワイトアウトするネルフ本部のモニタ。
  第三新東京市の夜空高く噴き上がる爆炎。
  呆然とする司令部一同。


マサト「エヴァは…?」


  猫背のまま炎熱地獄から姿を現す、エヴァ初号機
  驚愕している、人々。
  その顔は勝利の喜びではなく、恐怖の表情に満ちていた。


リツト「あれがエヴァの…」
マサト「…本当の姿」


  ひとり、笑みを浮かべている碇。
  炎に炙られた街路に仁王立ちする初号機。


○エントリープラグ内
  暗闇の中、ジジジ…と響く音。


青葉「回路、接続」
伊吹「システム回復、グラフ正常位置」


  意識を取り戻したシンコ。呆然としている。


日向「パイロットの生存を確認」
リツト「機体回収班、急いで」
マサト「パイロットの保護を最優先に」


  ビルに映った初号機の姿。外装は醜く焼け焦げている。
  崩れ落ちる顔面装甲。
  ゆっくりと壁面に映った顔を見るシンコ。
  のっぺりとした「人の顔」がの目に映る。
  「眼」に当たる部分が泡立ち、緑色の巨大な眼球が現れる。
  そしてシンコを凝視する眼球。


シンコ「い、いや、いやあぁぁ!」


  原初に還る、得体の知れない恐怖に、シンコは叫ぶことしかできなかった。


○同・シンコの部屋
  ベッドの上で恐慌状態に陥り、声を上げて泣き出すシンコ。
  風呂上がり、髪を拭いていたマサトが襖を引き開ける。


マサト「シンコちゃん、大丈夫か! 落ち着いて!」


  駆け寄り、裸の胸にシンコを抱きしめるマサト。
  泣き止まないシンコ。


マサト「怖がることはない。君は人に褒められる立派な事をしたんだ。胸を張っていい」
シンコ「(泣きじゃくりながら)そんな…そんな立派なものじゃないです。私が乗ったのは…」


マサト「わかってるさ」


  ハッとした表情でマサトを見上げるシンコ。


マサト「理由はどうあれ、君は立派によくやった。自信を持っていいんだ」


  再びシンコの表情が歪む。
  後から後から溢れ出る涙を拭いもしない。


シンコ「マサトさん…私…私は…」


  シンコの脳裏にフラッシュバックする、廊下での、エレベータでの碇の表情。


シンコ(OFFで)「その言葉を…あの時、あの場所で聞きたかっただけなんです…」


[テロップ]−−つづく−−(黒バックに白字)

*1:作画の手間を考えて脚本段階から自動ドアとしてある。

*2:庵野監督の地元・山口の地酒、『獺祭(だっさい)』だと思われる。

*3:SE先行とは、画面に電子レンジが登場するよりも一足早く電子レンジの音がするという事。

*4:このペンギンは、冷蔵庫の中で暮らしているのである。

*5:「#1」とは第壱話のこと。

*6:脚本、絵コンテの段階では、初号機が口を開けると生物的な歯が剥き出しになる予定であった。生物的な歯が付いた初号機の設定も実は作られていた。