トルコ大王今年も光臨

F1第12戦、トルコGP

予選

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 Q1、左近先生がスピンかました挙句にどん尻で死亡。スパイカーはBスペック車がクラッシュテストに落ちたこともあって今後はかなり厳しそう。琢磨もデビッドソンに大きく水を開けられてノックアウト。段々旗色が悪くなってまいりました。そしてラルフが何を間違ったのか激しくノックアウト。富士も近いんだから頑張んなさいよ。
 Q2、予想外の健闘を見せたのがデビッドソン。資金難が囁かれて開発も停滞してるはずのSA07を振り回して11番手。後一歩でQ3進出は逃したものの、各方面に大きくアピールする結果だったことは確か。空タンク同然で走った上位の結果は眉毛、キミ、黒人、雅の順。戦前予想に反して案外両チーム伯仲か?
 Q3、7位以下のポジションは順当に決定。3列目ももはや定位置となったBMWが独占し上位喰いを狙う。そしてトップ4の争いは最後の最後まで縺れた。
 残り4分でキミが1'27"546。残り3分で黒人が1'27"931、雅が1'27"520、眉毛が1'27"931。ここから全員ピットに戻り、タイムアップのタイミングでラストアタック開始。まずキミはミスってタイムを更新できず1'27"546のまま。次に黒人が最終コーナーでミスりつつも1'27"373でこれを塗り替える。更に雅が1'27"329でトップに。最後の最後でアタックを開始した眉毛は更新ならず4番手止まり。これにより、奇数列フェラーリ、偶数列マクラーレンと見事に分かれた格好。決勝の行方は容易に予想できない。

決勝

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 去年に続きトルコ大王雅が大光臨。得意なサーキットはほんとつええなあ。ダメなサーキットはてんでダメだけど。
 レース前にホンダの2台がエンジン交換を行って最後尾スタートに。レース中特にジェンソンが度々オーバーテイクを見せたものの、順位的には如何ともしがたし。次戦以降に期待。
 レースの最初のポイントはスタート。普段殆ど使われていないイスタンブールパークはレコードライン、即ち奇数列以外が強烈にダスティ。案の定、偶数列だった黒人と眉毛が揃って出遅れ。特に眉毛はBMWの2台にまとめて交わされるという致命的なミス。1コーナーへの侵入は雅、キミ、黒人、クビサ、ニック、眉毛の順で、この時点でイスタンブールを得意とするフェラーリが決定的なアドバンテージを獲得し、ワンツー体制のまま後続をじわじわ引き離していく。黒人が唯一これに喰らい付くが、眉毛はファーストスティントでハードタイヤをチョイスしたお陰でBMWの2台をどうしても抜く事ができず、どんどん差を広げられてしまう。
 大きな変化がないまま推移したレースが動いたのは43周目。眉毛のピットイン中に黒人のフロントウイング右翼端板が脱落し、右前輪をヒットしバースト。グラベルに飛び出し後続にオーバーテイクされてしまう。幸運だったのは2回目ピットストップ直前であったことと、トラブル現場がピット入口から極端に遠い場所ではなかったこと。眉毛とニックに抜かれたものの、どうにか5番手でレース復帰。しかし翼端板喪失の為にフロントのダウンフォースが不足し、アンダーステアからタイムが伸び悩んでポジションキープが精一杯となってしまう。逆に眉毛は当面のライバルたる黒人が後ろに下がってくれたお陰でポイント差を詰めるチャンスを獲得し、ピットでBMW2台を順繰りに交わして表彰台圏内まで上がってきた。しかしそれでも勿論フェラーリのテールを拝むには疾うに手遅れであり、跳ね馬はランデブーで悠々チェッカー。キミはチームからのポジションキープの指示を守りつつ、最終ラップでファステストを刻んで己の速さを誇示した。以下、終始クレバーな走りを維持したニックが4位、黒人を最後まで追い回したコパライネンが6位、ニコ7位、クビサ8位までがポイント圏内。日本勢は12位、13位、14位、16位、17位、18位といいところなし。左近先生は復帰2戦目にして20番手完走を果たした。
 この結果、トップ4はレース前のポイントランキングと逆の着順でフィニッシュすることになり、フェラーリの目は消えたかと思われたチャンピオンシップに俄然面白さが加わったことになる*1。次戦は跳ね馬の聖地モンツァ。それ以降もフェラーリが得意とするサーキットが続く。去年25ポイント差を詰めた勢いを再現する事が出来るか。

*1:コンストラクターズポイントはマクラーレン148、フェラーリ137。ドライバーズポイントは黒人84(3勝)、眉毛79(3勝)、雅69(3勝)、キミ68(3勝)。