コダック・レチナの溜息

 前回エントリで言及した Retina Ia の試写を行った。ついでに、以前入手してあった FirstSix-V*1 も持参して試写した。
 まず Retina について、新しい不具合が発生。巻上げがしょっちゅう引っ掛かる*2。その度にあちらこちらを押したり引いたり開けたり閉じたりしてどうにか撮りおおせたものの、不便なことこの上ない。加えてフィルムカウンタの動作に問題があり、一度の巻上げで3枚分ほどもカウンタが進むこともしばしば*3。一枚撮るごとにカウンタの数字を確認して必要なら手作業で正しい数値に直すという、まるでロシアンカメラのような非効率的な作業を強いられた*4。そして肝心の写りだが、どうも期待していたほどシャッキリ写らない。絞り気味で撮り続けていたのだが、「柔らかい表現」では済まされないショットを連発。距離を致命的に外してはいない筈なので、レンズ位置が少々ずれているか、玉の曇りや汚れが影響しているかのいずれかだろう。 Tessar の写りに一見して劣るというのは納得しがたい。再度各部の確認と調整の必要が残った。泣きそう*5
 というわけで、テストショットから3葉ほど抜粋。比較的ましなショットを選んだ。フィルムはTREBI 100C。



 続いて FirstSix 。此方は機能的な問題は全く見られなかった。シャッター速度、絞り、レンズの状態、蛇腹、ファインダ、距離計、何れもOK。光漏れもなし。唯一難点があったのは、事前清掃が少々足りなかったせいで盛大に埃が写り込んでいたことw*6。大して期待していなかったのだが、非常に満足すべき結果が得られた。
*7
 テストショットを一葉。フィルムはRVP F。

 撮影にブランクを開けたお陰で、バララクス補正を忘れたりうっかり指を写し込んだりとケアレスミスも頻発。海より深く反省する俺様であった。

*1:昭和30年頃、常磐精機製の 6*6/6*4.5 切替式スプリングカメラ。レンズは富岡光学製 Tri-Lauser(80mmF3.5)、シャッターは芝山光機製 MSK-III(B,1〜1/400sec)、二重像合致式単独距離計搭載、赤窓式。

*2:ジャムる、という表現が適切か。巻上げができなくなるのである。

*3:云うまでもなく、ジャムッた時は更に酷いことになる。

*4:所有する全てのロシアンカメラのフィルムカウンタを、俺は一切信用していない。

*5:つまり徹底して分解清掃しなければならない。やりたくねぇー orz

*6:ブロワーで塵や埃を吹き飛ばした程度。横着しすぎた。

*7:画像はまたしてもオークションから拝借。自分で撮れよwww